はじめに

今回は「識別」という視点から、見やすさと分かりやすさについて整理していきます。

私は仕事柄、パンフレットやWebサイト、営業資料など、さまざまな情報を整理する機会があります。

その中でよく聞くのが、「もっと目立たせてほしい」という要望です。

これは自然な要望です。

せっかく入れる情報なら見てもらいたい。

せっかく伝えるなら気づいてもらいたい。

そう思うのは当然です。

ただ、その要望を整理していくと、多くの場合、本当に求めているものは「目立つこと」ではありません。

また、多くの人は、「見やすいこと」と「分かりやすいこと」を同じものとして考えています。

しかし実際には、この二つは別のものです。

見やすくなったからといって、分かりやすくなるとは限りません。

逆に、見やすいとは言えなくても、言いたいことが明確で理解しやすいものもあります。

私は普段、デザインを見た目の装飾としてではなく、どうしたら理解しやすくなるのか、どうしたら伝わりやすくなるのかという視点で考えています。

その中で見えてきたのが、「識別」という考え方です。

今回は、見やすくしたつもりが分かりにくくなってしまう理由を、識別という視点から整理してみたいと思います。


第1章|見やすいことと、分かりやすいことは違う

まず最初に整理しておきたいことがあります。

それは、見やすいことと、分かりやすいことは同じではないということです。

多くの場合、この二つは一緒に考えられています。

しかし実際には別のものです。

見やすいとは、視覚的な負荷が少ない状態です。

例えば、

  • 適切な余白がある

  • 文字が読みやすい

  • レイアウトが整理されている

  • 色使いが整っている

といった状態です。

一方で、分かりやすいとは理解しやすい状態です。

例えば、

  • 何を伝えたいのかが明確

  • 誰に向けているのかが明確

  • 何をしてほしいのかが明確

  • 読む順番が整理されている

といった状態です。

例えば、とても綺麗にデザインされたパンフレットがあるとします。

余白も十分にある。

文字も読みやすい。

写真も綺麗。

レイアウトも整っている。

それでも、「結局この会社は何が強みなのだろう」「何を伝えたいのだろう」という状態であれば、それは見やすいけれど分かりやすいとは言えません。

逆に、少し古い資料だったとしても、

「誰のためのものなのか」

「何を解決してくれるのか」

「何をしてほしいのか」

が一目で伝わるなら、それは見やすいとは言えなくても分かりやすいと言えます。

もちろん理想は、見やすくて分かりやすいことです。

しかし、そのためにはまず、見やすさと分かりやすさを別々に考える必要があります。

この二つを同じものとして扱ってしまうと、見た目を整えることばかりに意識が向き、

本来整理しなければならない内容や順序、伝えるべきことが置き去りになってしまいます。

見やすくすること。

分かりやすくすること。

まずはこの二つを分けて考えることが、理解を作る第一歩だと私は考えています。


この章の要点

見やすさと分かりやすさは同じではありません。

見やすさは視覚的な負荷を減らすこと。

分かりやすさは理解しやすい状態を作ることです。

まずはこの二つを分けて考えることが、理解を作る第一歩になります。


第2章|目立たせたいのか、識別してほしいのか

制作の現場では、

「ここをもっと目立たせてください」

という要望を受けることがあります。

これはとても自然な要望です。

せっかく入れる情報なら見てもらいたい。

せっかく載せるなら気づいてもらいたい。

そう思うのは当然です。

ただ、私はそう言われた時、本当に目立たせたいのでしょうか?ということを考えます。

なぜなら、話を聞いていくと、実際には少し違うことが多いからです。

気づいてほしい。

見つけてほしい。

読んでほしい。

理解してほしい。

そういったことを求めている場合が多いのです。

つまり、目立たせたいのではなく、識別してほしいのです。

例えばパンフレット制作でも同じです。

制作を進めている途中で、「この情報も入れてほしい」という話になることがあります。

そして、「入れるならなるべく目立つようにしてください」と言われることも少なくありません。

しかし、その情報が紙面全体の中でどのような役割なのかによって、扱い方は変わります。

主役として伝えたい情報なのか。

補足として知っておいてほしい情報なのか。

信頼性を補強する情報なのか。

それによって表現方法は変わります。

私はそういう時、まずその情報の役割を整理します。そして、大きくするのではなく、識別しやすくする方法を考えます。

例えば、

全体がブルーのトーンで構成されているなら、

その部分だけ黄色を使う。

あるいは、

他にはないアイコンやモチーフを使う。

そうすることで、重要度は変えずに、識別性だけを高めることができます。

ここで大事なのは、目立たせることと、識別しやすくすることは違うということです。

また、識別してほしいのか。優先的に読んでほしいのか。重要だと認識してほしいのか。

これも別の話です。

例えば、優先的に読んでほしいのであれば、ページの上部に持っていった方が良いかもしれません。

重要な内容であれば、紙面全体の中で主役として扱う必要があります。

一方で、識別してほしいだけなら、大きくしなくても方法はあります。

制作をしていると、

「これも大事です」

「それも大事です」

という話になることがあります。

実際に大事なこともあります。

しかし、全部を同じように強調してしまうと、結果的に何が重要なのか分からなくなります。

全部目立つということは、全部目立たないということでもあります。

ここで大事なのは、送り手ではなく受け取り手の視点で考えることです。

受け取り手は、こちらが思っているほど熱量を持って見ていません。

むしろ、かなり冷めた状態で見ています。

「ふーん」

という状態です。

そして、

最初から隅々まで読んでくれるわけでもありません。

全体を流し見しながら、気になるものがあれば立ち止まる。そんな見方をすることが多いのです。

だからこそ、全部を目立たせるのではなく、

何を最初に認識してほしいのか。

何を記憶に残したいのか。

何を理解してほしいのか。

それを整理する必要があります。

目立たせることと、先に読ませることは違います。

目立たせることと、記憶に残すことも違います。

目立たせることと、理解してもらうことも違います。

だから私は、何を目立たせるかを考える前に、何を識別させたいのかを整理するようにしています。

識別とは、単に目立たせることではありません。

受け取り手が迷わず理解できるように、

違いを整理することなのです。


この章の要点

目立たせることと識別することは違います。

本当に必要なのは、何を目立たせるかではなく、何を識別させたいのかを整理することです。

受け取り手の視点に立ち、何を最初に認識してほしいのかを考えることが大切です。


第3章|人は違いを見ながら理解している

識別が大切なのは、

人が情報そのものを見ているわけではないからです。

人は違いを見ながら理解しています。

大きい。

小さい。

濃い。

薄い。

近い。

遠い。

同じ。

違う。

そういった差や関係性を手掛かりにして、物事を認識しています。

例えば、真っ白な紙の上に黒い点が一つあれば、自然とそこへ目が向きます。

逆に、黒い点が無数に並んでいれば、どこを見れば良いのか分かりません。

これはデザインだけの話ではありません。日常生活でも同じです。

例えば、信号機には色の違いがあります。

道路標識には形の違いがあります。

電車の路線図には色や線の違いがあります。

人はそうした違いを見ながら、判断し、行動しています。

だから、何かを伝える時も、違いを整理することが大切になります。

一方で、違いを増やせば良いわけではありません。

色を増やす。

文字サイズを増やす。

装飾を増やす。

確かに違いは増えます。

しかし、それらはすべて情報として認識されます。

例えば、

色が一色なら情報は一つです。

二色なら二つになります。

三色ならさらに増えます。

そこに、

文字の大きさ。

太さ。

形。

アイコン。

写真。

イラスト。

文章。

さまざまな情報が加わっていきます。

つまり、違いを増やしているつもりが、実際には情報量を増やしているのです。

すると、受け取り手はその情報を処理しなければなりません。

結果として、理解するための負荷が大きくなります。

だから、違いを増やすことよりも、必要な違いだけを残すことが大切です。

必要な情報は何か。

不要な情報は何か。

まずそこを整理する必要があります。

私は制作をする時、何を加えるかよりも、何を足さないかを考えることがあります。

その理由は、情報は足した瞬間に新しい情報として認識されるからです。

本当に必要なものだけを残すことで、見てほしいものが見えやすくなります。

装飾についても同じです。私は基本的に、装飾は入れない方が良いと考えています。

なぜなら、装飾も情報だからです。装飾を加えれば、受け取り手が認識しなければならない情報が増えます。

そして情報が増えるということは、理解するための負荷も増えるということです。

実際の制作現場では、

「少し寂しい気がする」

「何かもう少し入れたい」

と言われることがあります。

そう感じること自体は自然なことです。

私はそういった要望を否定することはありません。

ただ、その時に考えるのは、その要素がお客様の目的達成に本当に必要なのかということです。

その要素が無ければ伝わらないのか。

その要素が無ければ成立しないのか。

その要素が無ければ行動につながらないのか。

そこを考えます。

もちろん、クライアントの意向は大切です。

しかし、その意向をすべて反映することが、必ずしも良い結果につながるとは限りません。

むしろ、目指している目的や成果に対して、余計な情報になってしまうこともあります。

だから私は、なぜ必要なのか。なぜ不要なのか。

それによって何が起きるのか。

をできるだけ論理的にお伝えしています。

その上で、本当に必要なものだけを残していきます。

デザイン思考で考える場合、判断基準はシンプルです。

それは、

必要か。

必要ではないか。

です。

何を足すかではなく、

何が本当に必要なのか。

そこから考えることで、伝わりやすさも、理解しやすさも、作りやすくなるのです。

人は違いを見ながら理解しています。だからこそ、違いを増やすことではなく、必要な違いだけを残すことが大切なのです。

識別とは、差を作ることではありません。理解しやすくするために、必要な違いを整理することなのです。


この章の要点

人は違いを見ながら理解しています。

しかし、違いを増やせば良いわけではありません。

色、文字サイズ、装飾、写真、文章などはすべて情報として認識されます。

だからこそ、必要な違いだけを残し、不要な情報を足さないことが大切です。


第4章|ルールは理解を助ける

情報が増えるほど、識別は難しくなります。

違いが増えるほど、理解するための負荷も大きくなります。

だからこそ、ルールが必要になります。

私はパンフレットやWebサイト、営業資料などを制作する時、できるだけルールを作るようにしています。

例えば、

タイトルはこの大きさ。

小見出しはこの大きさ。

本文はこの大きさ。

補足事項はこの色。

ボタンはこの形。

といった具合です。

これは見た目を揃えるためだけではありません。理解しやすくするためです。

人は初めて見る媒体であっても、無意識にルールを読み取っています。

「あ、これはタイトルだな」

「これは補足情報だな」

「これは押せるボタンだな」

ということを自然に判断しています。

もちろん、その人はルールを学んでいるつもりはありません。

しかし、人には形や配置、過去の経験から意味を推測する力があります。

デザインの世界では、アフォーダンスという考え方があります。

詳しく覚える必要はありませんが、人は見た瞬間に、

「これはこういう役割だろう」

と予測しながら物事を認識しています。

だから、ルールを作ることによって、識別しやすくなり、理解しやすくなります。

ルールという考え方は、デザインを仕事にしている人であれば比較的自然に理解できます。

しかし、

デザインを表面的な制作物として捉えている場合、少し違う考え方になることがあります。

例えば、

三つの情報ブロックがあったとします。

一つ目のタイトルは赤。

二つ目のタイトルは青。

三つ目のタイトルは緑。

一つ目は明朝体。

二つ目はゴシック体。

三つ目は別の書体。

その方が変化があって良い。その方が面白い。そう考えることがあります。

しかし、受け取り手からすると、三つとも違うルールで作られているため、それぞれ別の役割に見えてしまいます。

一方で、三つとも同じルールで作られていれば、

「あ、これは同じ種類の情報なんだな」

と自然に理解できます。

つまり、同じことを繰り返しているように見えても、受け取り手にとっては理解を助けているのです。

私は制作をする時、変化を作ることよりも、まずルールを作ることを優先しています。

なぜなら、反復は理解を助けるからです。

逆に、ルールが無い状態では、タイトルも本文も同じ。補足も主題も同じ。重要な情報も補足情報も同じ。

という状態になります。

すると、受け取り手は毎回考えなければなりません。

これは何だろう。どこから読めばいいのだろう。何が重要なのだろう。

その負荷が積み重なることで、理解しにくくなります。

私は制作の現場で、紙面や画面の中にルールを作ることを大切にしています。

それはデザインを綺麗に見せるためではありません。受け取り手が迷わず理解できる状態を作るためです。

識別とは、違いを増やすことではありません。ルールの中で必要な違いを整理することです。

だから私は、まずルールを作り、その上で必要な違いだけを作るようにしています。


この章の要点

ルールは、見た目を揃えるためだけのものではありません。

受け取り手が情報の役割を自然に識別し、迷わず理解するためのものです。

変化を増やすよりも、まずルールを作ることが理解を助けます。


第5章|余白は何もない場所ではない

余白についても誤解されることがあります。

制作をしていると、

「ここ空いているので何か入れませんか?」

と言われることがあります。

確かに、何も置かれていないように見えます。

しかし、余白は空いている場所ではありません。

余白にも役割があります。

例えば、

ここまでが一つの話。

ここからが別の話。

この情報とその情報は別のグループ。

そういった区切りを伝えています。

人は余白を見ながら、

無意識に情報を整理しています。

つまり、余白も情報なのです。

何も書かれていないように見えても、

そこには役割があります。

どこで話が切り替わるのか。

どこまでが同じ内容なのか。

どこを先に見てほしいのか。

余白はそういったことを伝えています。

私は余白を、視線誘導のための設計要素の一つとして考えています。

人は文章を読む時も、紙面を見る時も、Webサイトを見る時も、視線を動かしながら情報を理解しています。

その時、余白があることで、自然と次に見る場所が分かります。

逆に、余白が無い状態では、どこからどこまでが同じ話なのか分かりません。

情報同士が近すぎると、本来別の内容であっても同じ内容のように見えてしまいます。

これは識別の問題でもあります。

私は制作の現場で、

「少し寂しい気がするので何か入れたい」

という話を聞くことがあります。

もちろん、そう感じること自体は自然なことです。

しかし、その余白に何かを加えることで、本来の役割が失われてしまうことがあります。

余白は、何もない場所ではありません。理解を助けるための場所です。

だから私は、余白があるから埋めるのではなく、その余白に役割があるのかを考えます。

もし役割があるなら、何も入れないという判断をします。

それもまた、理解しやすくするための設計だからです。

識別とは、違いを作ることだけではありません。

情報同士の距離を整理することでもあります。

余白は、そのための大切な要素なのです。


この章の要点

余白は空いている場所ではありません。

情報同士の関係性を整理し、視線を誘導し、理解を助けるための要素です。

余白を埋めることが、かえって識別や理解を妨げることもあります。


第6章|識別は理解を助ける

ここまで、

識別。

ルール。

余白。

についてお話ししてきました。

では、識別ができれば理解できるのでしょうか。

実はそうではありません。識別と理解は同じではないからです。

例えば、道路標識を見れば、そこに標識があることは分かります。

しかし、その意味を知らなければ、何を伝えているのかは理解できません。

つまり、識別は入口です。理解はその先にあります。

では、理解とは何でしょうか。

私は、理解とは情報量ではないと考えています。

たくさん知っていることが理解ではありません。

理解とは、情報同士の関係性が整理され、適切な状態になっていることです。

例えば、パンフレットを作る時も同じです。

商品情報。

価格情報。

会社情報。

問い合わせ先。

それぞれの情報をたくさん載せれば理解が深まるわけではありません。

むしろ、情報を増やし過ぎることで、何が重要なのか分からなくなることもあります。

大切なのは、それぞれの情報がどのような関係になっているのかです。

何が主題なのか。

何が補足なのか。

何が理由なのか。

何が結論なのか。

その関係性が整理されることで、初めて理解につながります。

これは営業の現場でも同じです。

私は営業の現場を長く経験してきました。その中で感じたのは、説明が上手な人が成果を出しているわけではないということです。

むしろ、相手の話をよく聞き、状況を整理し、関係性を理解している人の方が成果につながっていました。

何が問題なのか。

なぜそれが問題なのか。

どうすると改善できるのか。

それらの関係性が整理されているからです。

理解とは、単に情報を知ることではありません。

情報同士の関係性を整理することです。

そして、識別はそのための第一歩になります。

違いが分からなければ、関係性も整理できません。

だから私は、識別を大切にしています。

識別は目的ではありません。理解を助けるための手段です。

見やすさも同じです。

ルールも同じです。

余白も同じです。

それらはすべて、理解しやすい状態を作るために存在しています。

だから私は、何かを作る時、見た目より先に、理解の構造を考えるようにしています。


この章の要点

識別は理解そのものではありません。

識別は、理解へ進むための入口です。

理解とは情報量ではなく、情報同士の関係性が整理され、適切な状態になっていることです。


第7章|見やすくしたつもりが、分かりにくくなる理由

ここまで、

見やすさと分かりやすさの違い。

識別。

ルール。

余白。

順番。

についてお話ししてきました。

これらはすべて、理解しやすくするための考え方です。

そして、今回のタイトルである「見やすくしたつもりが、分かりにくくなる理由」も、実は同じところにつながっています。

例えば、

文字を大きくする。

色を増やす。

装飾を増やす。

余白を増やす。

そういった工夫によって、見やすくなることはあります。

しかし、それだけで理解しやすくなるとは限りません。

むしろ、

情報を増やし過ぎたり、

違いを増やし過ぎたり、

ルールを崩してしまったりすると、

見やすくしたつもりなのに、分かりにくくなることがあります。

なぜなら、人は見た目そのものを理解しているわけではないからです。

人は、違いを見ながら理解しています。

ルールを見ながら理解しています。

余白を見ながら理解しています。

順番を見ながら理解しています。

つまり、理解とは、情報の量だけで決まるものではありません。また、

見た目の綺麗さだけで決まるものでもありません。

必要な情報が整理されていること。

必要な違いが整理されていること。

適切な順番で理解できること。

そうした状態によって生まれます。

私は制作をする時、どうしたら目立つかよりも、どうしたら理解しやすくなるかを考えています。

どうしたら派手になるかよりも、どうしたら迷わないかを考えています。

そして、それはデザインだけの話ではありません。

営業もそうです。

企画もそうです。

資料作成もそうです。

人に何かを伝えるあらゆる場面で同じです。

見やすくすることは大切です。

しかし、見やすくすることが目的になってしまうと、

本当に大切なことを見失うことがあります。

大切なのは、相手が理解できることです。

見やすさはそのための手段です。

分かりやすさはそのための結果です。

だから私は、何かを作る時、まず理解を設計することから考えています。

それが、見やすくしたつもりが分かりにくくなることを防ぐための、一つの方法だと思っています。


この章の要点

見やすくすることは大切ですが、それ自体が目的ではありません。

見やすさは手段であり、分かりやすさは結果です。

大切なのは、相手が迷わず理解できる状態を設計することです。


おわりに

今回は、「見やすくしたつもりが、分かりにくくなる理由」についてお話ししました。

見やすくすることは大切です。

しかし、見やすくすることと、分かりやすくすることは同じではありません。

色を増やす。

装飾を増やす。

情報を増やす。

そうしたことによって見やすくなる場合もあります。

しかし、それによって理解しやすくなるとは限りません。

人は違いによって認識し、識別によって整理し、関係性によって理解しています。

だからこそ、本当に必要なのは、何を足すかではなく、何を残すか。

何を目立たせるかではなく、何を識別させるか。という視点です。

見やすさは手段です。

分かりやすさは結果です。

そして、理解とは、情報量ではなく、関係性が適切に整理された状態です。

もし、何かを伝えたい時に迷ったら、まずは情報を増やす前に、その情報は本当に必要なのか。それが無ければ伝わらないのか。を考えてみてください。

それだけでも、伝わり方は大きく変わると思います。


今回のチェック項目

  • 見やすさと分かりやすさを同じものとして考えていないか

  •  目立たせることと識別することを混同していないか

  •  色や装飾を増やして情報量を増やしていないか

  •  ルールを作らずに変化だけを増やしていないか

  •  余白を「空いている場所」と考えていないか

  •  情報同士の関係性が整理されているか

  •  本当に必要な情報だけで構成されているか

  •  何を理解してほしいのかが明確になっているか