広報デザイン ― 信頼を育てる発信設計
広報デザインとは、見せ方ではなく「伝わり方」を整えること。
広報デザインとは、単にロゴやパンフレットを美しく仕上げることではありません。
それは、企業の姿勢や信頼を“どのように伝えるか”を設計する行為です。つまり、「何を伝えるか」よりも「どう伝わるか」に重きを置く思考。
情報が溢れる時代、見た目だけの広報はすぐに埋もれます。必要なのは、相手の理解や共感に届く“構造としてのデザイン”。
本記事では、A HIRAGADESIGNが実践する「伝わる広報デザイン」の考え方を紹介します。ブランディング、情報設計、トーン設計──
そのすべてを“信頼をデザインする”ための方法論として解説します。
広報とPRの違い
【広報(Public Relations)】
・目的:信頼と理解を築くこと
・対象:社会全体・顧客・社員・取引先など広範囲
・時間軸:長期的(関係性の維持・ブランド形成)
・成果の指標:信頼・好意・共感
【PR(Promotion/Press Release)】
・目的:認知・露出・話題の獲得
・対象:メディア・顧客など特定の層
・時間軸:短期的(キャンペーン・話題作り)
・成果の指標:話題・反応・コンバージョン
つまり、PRは広報の一部です。
広報が「関係を育てる活動」であるのに対して、PRは「その瞬間を広げる行為」です。
多くの小規模事業では、PR=宣伝と捉えがちですが、
広報は「広告の後ろ側にある信頼」を設計することに意味があります。
英語表記では、どちらもPRとなり、広義では同じですか、
このように分けて考えるのが一般的です。
2. 広報に“デザイン”が必要なのか
広報は「信頼を見える形にする仕事」です。
誠実な想いも、伝わる形に整えなければ理解されません。
- トーンや色使い、写真の統一は“安心感”をつくる。
- 書体や余白は“信頼感”を演出する。
- ストーリーの構成は“共感”を生む。
広報デザインとは、「信頼が伝わる構造」をつくること。
社会との関係を、デザインの力で可視化する取り組みです。
3. 発信がうまくいかない3つの理由
- 発信の目的が「売上」に偏っている
- デザインと文章が別々に作られている
- 継続のための「基準」がない
これらはどれも、「広報の軸」がない状態です。
広報デザインとは、何を・誰に・どう伝えるかを整理する仕組みづくりです。
伝わる広報のための5つのデザイン基準
① トーン(Tone)
声のような一貫した語り口。どの媒体でも印象を統一する。
② ビジュアル(Visual)
配色・構図・余白の統一が信頼感を支える。
③ ストーリー(Story)
商品よりも「背景」を語る。文脈が共感を生む。
④ タイミング(Timing)
継続的に“姿勢”を見せる。リズムが信頼を生む。
⑤ タッチポイント(Touch Point)
SNS・Web・印刷物の接点をデザインで統合する。
小さな会社のための広報デザイン設計図
- ロゴ・Web・SNS・名刺など、既存の資産を「一貫した広報基準」で整理する。
- 広報とは「信頼を維持する習慣」であり、広告とは違う“体温のある発信”。
- 実践のステップ例:
・SNS投稿のテンプレート化
・写真トーンや構図の統一
・プレスリリースやお知らせ欄の見直し
・Webサイトの「理念・想い」ページを充実させる
結論:広報は「発信の場」ではなく「信頼の器」
広報の目的は、話題をつくることではなく、信用を蓄積すること。
継続的な発信が、やがて「共感 → 信頼 → 依頼」へとつながります。
広報デザインとは、企業の人格を社会に見せる行為。
それは“情報を出す作業”ではなく、“信頼を育てる活動”です。
岐阜|デザイン経営とブランディング
A HIRAGADESIGN
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