ロゴマークをデザインする上で大切なことは
そのモノの「本質」が伝えられているか、です。

そのモノの「本質」というのは例えば、
理念だったりポリシーだったりコンセプトだったりします。

その本質を依頼する人とデザインする人の双方が
深く理解をしないとロゴマークを創ることができません。

ロゴマークは企業や店舗、あるいはサービスなどで用いられますが
単にカタチを創ればいいというものではないと言うことです。
格安で作るところもあれば100万や1000万、あるいは1億といった
マークの制作料金の違いがありますが、
そこにはその料金に見合った明らかな違いがあります。

- 1 - 本質が伝えられているか
冒頭でもお伝えした本質とゆうものがマークの根幹です。
ロゴマークはその「本質を集約させた一つの記号」になります。
本質が集約されたものとゆうものであれば、
そのカタチに至った根拠がしっかり説明できます。
仮に企業のマークとした場合、自社がどのような企業なのかを
マークに込めたメッセージとして伝えることができるとともに、
自社がどのような企業なのかを社内においても浸透させることができます。

- 2 - 本質がわかりやすいか
本質というものを理念やコンセプトと置き換えることができますが
その理念やコンセプトがわかりにくい場合があったり、
それが本当に特徴といえるかどうかが大事になってきます。
例えば「多くの人に喜びを与える企業」というコンセプトとした場合、
大義としてはいいと思いますが、特徴的なメッセージではありません。
また企業の本質を伝えるには具体性に欠けています。
私が打合せする際には、「何故そうなのか」を5回繰り返します。
こうゆうものを作って欲しいと依頼されても、それを作る必要性や
理由や背景なども聞きます。
こちらが尋ねて答えられない場合もあります。
そういった場合は一緒に考えて答えを導き出していきます。
そうして物事の本質を理解し、わかりやすい言葉に具体化させていきます。
作って欲しいものを伝えて、はい。わかりましたと
引き受けてしまうデザイナーさんがいた場合、
それは疑問に思っていただいていいと思います。
デザインの本質は、課題の解決。
打合せ時にデザインプロセスの7~8割が決定するといっていいでしょう。

- 3 - 客観的であるか
ロゴマークの「カタチ」を創り上げる際、
そのカタチが客観的であるかどうかが大切です。
客観的とは、「本質が客観的に伝えられているか」
とゆうことです。
デザイナーがカッコイイと思うもの。
依頼主がオシャレだと思うもの。
そういった当事者だけの主観で制作したものは
第三者には伝わり憎く、伝わったとしても
根拠が薄いものになりがちです。
明確になった本質が、明確なカタチとして
伝えられているかが大切です。

- 4 - ユニーク性があるか
特徴的で差別化されていることをユニーク性と呼びます。
企業・店舗・商品など特徴的な本質をもっていながらも
同カテゴリーの競合が無数に存在します。
その競合のなかでユーザーに見つけてもらいやすく
また他店との違いを認知してもらうために
ユニーク性は大変重要になります。

- 5 - ロゴマークの用途を考慮されているか
ロゴマークは、看板に使ったりホームページに使ったり
パンフレットに使ったりと用途は様々です。
大きい面積で使う場合もあれば小さい面積で使う場合もあります。
またマークの線の太さやタイプの間隔なども考慮したり、
モノクロでの使用も考えなければいけません。
例えば、青いベタ塗りモチーフに、色違いで別のモチーフを
重ねたようなマークは、一見マークらしく見えますが
FAXなどのモノクロで使用した場合は全く識別出来なくなっていまいます。

- 6 - 情緒性を考えられているか
情緒性とは印象です。
カッコイイやオシャレ、重厚感や可愛らしさといった
人が受ける印象をいいます。
デザインと聞くと、この「情緒性」を作る事だと
制作する側も制作を依頼する側も
そう勘違いしてる人がかなり多いように思います。
情緒性は、見る人にどのような印象を持って貰いたいか
非常に大切な要素になります。
情緒性を考える場合は、特に主観的に考えになりがちです。
意図する情緒性を客観的に美しいカタチにするために
弊所では黄金比や白金比など使いデザインを創り上げていきます。
そうゆう比率は客観的に美しいと認知される比率なので
主観にに左右されない客観的に認められやすい
カタチを設計することができます。
また、情緒的な美しさに加え、「誰」に対しての印象の訴求かも
考えなければいけません。
その「誰」となるターゲットの属性と、自社の「本質」の両方を
しっかり考慮した設計が大切になってきます。

- 7 - シンプルで簡潔か
上記の-1-でも書きましたが、
ロゴマークはその「本質を集約させた一つの記号」です。
記号として認知しやすくするためには、
分かりやすく特徴的でありながらもシンプルでなければなりません。
あらゆる要素をシンプルにミニマルにまとめあげるということは
非常に難しいことです。
例えるなら誰かに何かを説明する時、1分間で説明する場合と、
ひとことで伝える場合と同じと言えます。
多弁になれば言い間違えても補足を付け加えることもできますが、
ひとことで伝えるとなると、まず伝えたいあらゆる要素を洗い出し、
そこから本当に必要なものにふるいをかけて言葉を選ばなければいけません。
しかしそうゆう手間と時間をかけてでも、シンプルに要約する必要が
ロゴマークの設計には必要なことです。

ざっくりと7項目を上げましたが、
良いロゴマークは本当にしっかり考えられており、
誰が見ても納得がいくカタチになっています。
依頼をする側もしっかり考えなければいけないですが、
依頼される側も、出された課題を解決できるだけの
社会経験や技術やノウハウが必要になってきます。

格安でロゴを作ったり販売されてるロゴを購入も
それはそれで良いと思うしニーズはあると思います。
一般的に、イラストレーターなどのソフトで制作を行いますが
自分で作ろうと思うとソフトの使い方を一から学んでやるより
格安でもある程度オシャレでカッコイイものを買ったほうが
時として良いでしょう。

ただ、使用頻度や使用期間の短い、チラシやイベントなどのデザインとは違い、
数年や数十年と使用するロゴマークをデザインする場合は、
その知的財産性を考えて、制作期間や予算を
ある程度もって取り組んでいただければと思います。