結局応募することはなかったが
オリンピックのマスコットを試しに考えてみた。

五輪エンブレムのマスコットをデザインとして開発とした場合、
必要要素とはなんだろうか。

オリンピックとマスコットの関係性。
さらには商品化された場合における再現性。
ターゲットとなるのは、キャラクター好きなニッチな人ばかりでなく、
お年寄りや小さな子供にも愛されるようなビジュアルが必要になってくる。

そこでオリンピックとオリンピックのアイデンティティに沿うよう開発してみた。

例えばアイデンティティの必要要素として
「紺の市松模様」、「優しさと柔和さ」、「日本」。
この3つかなと考えた。
この3つが韻を踏んだ感じでストーリーを盛り込むと
見映えだけでなくより「なるほど」と思ってもらいやすく
より愛着をもってもらいやすくなる。

東京オリンピックマスコットキャラクターのデザイン案。

さて、この要素を元にどのような韻を踏ませようと考えみた。

例えば、オリンピックエンブレムの紺と白の幾何学模様。
これを月桂樹にしてみたらどうか。
月桂樹はオリンピックと関係深い。
通常、葉は緑だが、配色をオリンピックエンブレム同様の
配色にすることで歴史的なオリンピック要素と
東京オリンピックの2つの要素の韻を踏むことができる。

同時に、紺というキーカラーがハズれないよう
体全体も同様の配色が好ましい。

またオリンピックとパラリンピックとの
同一性を図るために配色を反転させることで
識別もできる。

そして、「日本」を視覚化させるために
誰でも思いつくのは日の丸である。
しかし、明らかに赤い円では取って付けたようで
キャラクターには馴染みづらい。

例えば、白く丸い体に鼻を赤くすることで
赤が印象的に映え、日の丸としてのアイデンティティを
表現できるのではと思う。

もともと紺と白しかない配色だから、
小さな赤い鼻のほうがより印象的に映ると思う。

あとはキャラクターのスタイリング。
3つの要素の中の「優しさと柔和さ」を表現するには
丸みのあるスタリングが良いように思う。
そしてなるべくシンプルにしたほうが、
小さなお子さんでも真似て描くことができるかと思う。

ぬいぐるみなどの製品化の際にも、
このスタイリングであれば、タオル地のような優しい手触りにすると
よりしっくりくるのではないだろうか。

キャラクター象としては、常に選手にフワリと寄り添う
架空の妖精として位置づけるといいかもしれない。

単純にスタイリングであれば、こんな感じやあんな感じ、
そして自分が良いと思うものを作ってみました。でいいかもしれない。
しかしデザインは根拠の上に成り立ち客観性があることが前提と考えると、
僕なりのカタチはこうなった。

アートディレクション/キャラクターデザイン
Masaki Hiraga

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